ご自身で保管されていた過去の資料から、初診日特定に繋がる重要な資料が見つかり、事後重症請求で無事に障害基礎年金 2 級を受給できたケース【No.115】

相談者:女性 50代/無職
傷病名:うつ病
決定した年金種類と等級:障害基礎年金 2 級
年金決定額:約100万
有期認定:2年

相談時の相談者様の状況

約 20 年前から、うつ病と全身性エリテマトーデスとの闘病をされてきました。この間、障害年金制度の事は全く知らなかったとの事でした。ご主人の転勤でこちらに転居され、障害年金制度の事をお知りになりました。「自身での請求は困難、専門家に依頼したい」とお考えになり、お問い合わせくださいました。全身性エリテマトーデスは服薬により落ち着き、うつ病の方が重い状況でした。

相談から請求までのサポート

病歴が 20 年と長く、またご主人の転勤に伴い、複数回の転居があったため、受診先も全国各地に複数ありました。転居歴や受診歴を丁寧に整理して下さっていたおかげで、状況把握に大変助かりました。また、過去の診断書や紹介状等を大切に保管されていました。(結果的に、この中に非常に重要な手がかりや、証明書の代用となる書類がありました。)

初診医、2 番目の医療機関ともに、すでに診療録が廃棄されていたため、3 番目の病院で受診状
況等証明書を取得。前医受診歴等も丁寧に記載されていたものの、いまひとつ明確さに欠けまし
た。しかし幸いなことに、相談者様のご持参された保管書類の中で、「〇年〇月〇日、うつ状態で受診した」という確固たる証拠のある文書が見つかりました。さらに、相談者様は、発病時期以降の全被保険者期間において国民年金保険料納付済であった為、「初診日特定が困難な状況において、初診日があると確認された一定の期間中、同一の公的年金制度に継続的に加入していた場合、一定の条件の下、請求者が申し立てた初診日を認めることができる」という取扱いに則り、うつ状態で受診した年月日を初診日として申立て、請求を行いました。

結果

約 3 ヵ月後、障害基礎年金 2 級の年金証書が届いたとのご連絡を頂きました。とても喜ばれていました。請求手続き後、ご主人の転勤で転居されていましたので、転居先からのご連絡でした。「そちらには 10 ヶ月しか住みませんでしたが、その間に障害年金の事を知ることが出来たし、先生方にも色々としていただき、本当に意義のある 10 ヶ月間だったと感じています。ありがとうございました。」とのお言葉を頂きました。病状を抱えながら、数か所の病院にカルテ有無や受診歴を尋ねてくださるなど、協力的で、一生懸命でいらっしゃいました。ご本人も、私どもも、多数の通院歴の状況把握には特に難航したものの、信頼関係と協力体制があったからこそ、無事に受給に結び付いたと感じています。お一人で悩まれている方は、ぜひご相談ください。

その他の事例はこちらをご覧ください。


この記事の最終更新日 2022年12月2日 執筆者: 社会保険労務士 堤信也

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