脳出血により、5年遡及で障害基礎年金1級を受給できたケース【No.39】
相談者:女性(60代)/無職
傷病名:脳出血
決定した年金種類と等級:障害基礎年金1級
初回年金振込額:約330万 有期認定3年 老齢年金との調整有り
相談時の状況
当初は相談者の夫(70代)が独力で市役所の担当者と請求を進めていた案件です。元々、相談当時は65歳を超えていたため請求自体が出来ないと回答された模様で、どうしても納得が出来ず数回相談をしてやっと請求自体は可能とのことで障害認定日の診断書を取寄せられ市役所へ持参しましたが、未記入部分が多いのでこれで請求しても厳しいと言われ途方にくれたところ、こうした難しい案件は専門の社労士に依頼されてみてはと指摘され、当事務所のことを調べて頂きご相談を受けることとなりました。
依頼から請求までのサポート
脳出血等に代表される肢体障害での遡及案件は、実際に我々でも困難な部類に入ります。なぜなら、過去の筋力や関節可動域の測定に加え、日常生活動作など細かい部分については当時の状態が分からないので診断書自体を書けないと言われることもあり、確かに医師の立場で考えれば納得できる部分もあります。
今回のケースについては、障害状態は年金を受給できる状態に十分あると判断していたため、病院のSW(ソーシャルワーカー)と何回も打合せをして、当時の診療録やリハビリデータおよび障害認定日に比較的近い時期に作成された身体障害者手帳用の診断書をもとに可能な限り根拠となる裏付け資料をもとに診断書の追記を再度医師へ依頼し、何とか戦える状態にあると判断した書類で請求を行いました。
結果
請求時に年金事務所では、肢体障害においては筋力や関節可動域が未記入なのでおそらく厳しいのではないかとの予想を見事に裏切り、しかも請求して2か月弱でのスピード決定、障害等級も1級で5年遡及と最高の結果を出すことができました。
この結果を出せたのは、病院関係者と綿密な打合せを幾度も行い、理路整然と障害状態の裏付けとなりえる資料を示すことができたことが最大の要因と考えます。
もちろん、相談者の夫とも日常生活状況について詳細なヒアリングを行い、その状態を明確にした書類を作成したことも当然ですが、本当にこの案件では決して諦めずに根拠となる資料を探し出す重要性を改めて感じるとともに、このレベルでは一般の方々は太刀打ち出来ませんので、専門家へご相談頂くことを強く望みます。
他の脳疾患による事例はこちらをご覧ください。
この記事の最終更新日 2022年12月2日 執筆者: 社会保険労務士 堤信也