納付要件がNGの中、記憶になかった受診記録が偶然見つかり、因果関係を立証した上で、20歳前傷病により障害基礎年金2級を受給できたケース【No.101】

相談者:男性40代/無職
傷病名:自閉スペクトラム障害
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
年金決定額:支給月から更新月までの総支給額: 約156万
有期認定:2年

相談時の相談者様の状況

単身暮らしをしてあった中、病状悪化により実家に帰省。自閉スペクトラム障害特有のこだわりなどの症状が強く、両親も気を遣う状態が続いていました。就労することも困難な状況で、障害年金の手続きを検討され、市役所や年金事務所にも相談をされましたが、保険料納付要件NGとの回答でした。一度、当初とは別の社労士事務所にも相談経緯がありましたが、同じく納付要件がNGであった為、手続きを断念。どうにかならないものかインターネットで情報を探していたところ、当事務所のHPをご覧になり「障害年金に特化した社労士事務所なら何とか出来るかもしれない」と感じられ、お問合せをいただき、ご本人およびご両親との面談への運びとなりました。

相談から請求までのサポート

20歳から数か月間、国民年金保険料を払っていない期間があり、ちょうどその間に初診日がある状態で、保険料納付要件がクリアせず請求自体が困難な状況でした。様々な手段を検討しても請求は不可、請求するならば、20歳前障害しか手段はないという状況の中、20歳前に肛門科を受診したことを思い出されました。

精神科等ではなく、一見全く関係がないと思われましたが、念のため診療録を取り寄せたところ、記憶にはなかったのですが、同病院内の心療内科も受診していたことが判明したのです。そこを足掛かりに、20歳前に心療内科を受診した病状と、現在の自閉スペクトラム障害との相当因果関係が認められれば障害基礎年金2級の受給が視野に入る状況に一転しました。前医や現主治医に対し、特別に書面を作成し、意見を頂戴したり、申立書を細やかに作成する為、幾度となく面談をさせていただくなど、丁寧に準備をして請求手続きに進みました。

結果

請求から約3か月後、無事に障害基礎年金2級の年金証書が届いたとの連絡が入りました。

「自分の考えていた初診日では、受給は絶対に不可能でした。忘れていた臭気症の受診歴が出てきたのは、20歳前の受診歴がないか思い出すよう、何度も言って頂いたおかげです。肛門科受診を思い出し、自分でも忘れていた心療内科受診という過去に繋がったのです。また、そこを初診日と認められたことも奇跡に近く、本当に感謝しています。」と大変喜んでいらっしゃいました。「請求出来ない」状態から一転、大逆転の受給決定となり、私どもとしても大変感慨深く、本当に良かったと感じる案件です。大変困難な道のりでしたが、粘り強く可能性を追求された相談者様方のご協力の賜物だと感じます。

その他の事例はこちらをご覧ください。

 


この記事の最終更新日 2022年12月2日 執筆者: 社会保険労務士 堤信也

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