アルコール依存が原因で精神障害を発症。事後重症請求で障害厚生年金2級を受給できたケース【No.123】

相談者: 男性 60代 / 無職
傷病名: コルサコフ症候群
決定した年金種類と等級: 障害厚生年金2級
年金決定額:約142万 有期認定:2年 
 

相談時の相談者様の状況

お姉様から弟様のことでご相談を受けました。アルコール依存治療の為、約2年間精神科に入院されており、最近、「アルコール依存による脳萎縮状態。認知症のような症状で、自立した生活は無理」と医師から言われたとの事でした。ソーシャルワーカーから障害年金制度の説明を受け、年金事務所で相談。インターネットでも色々情報を得ようとされたようですが、自分達では手続きは困難と判断し、相談できる所がないかお調べになったところ、当事務所HPをご覧になり、お問い合わせくださいました。お母様とお姉様がご来訪されました。

相談から請求までのサポート

アルコール依存症発病時からの経過をまとめた書類をご持参いただき、それを基に病歴や病状をヒアリングしました。現在の脳の器質的変化はアルコールが原因であるとの医師見解から、アルコール依存の症状で受診した日を初診日と考え、病状も認定基準に該当する可能性が高いと判断。障害厚生年金2級の受給を目標に受任しました。
お姉様は遠方に在住であった為、受診状況等証明書(初診の証明書)の取得は我々が代行。診断書依頼に関しては、正式な傷病名が不透明であった為、現病院のソーシャルワーカーと密に確認作業を実施。病院内で傷病名を協議され、「コルサコフ症候群」と記載する旨のご報告を頂きました。病状や経過についても非常に親切に応対してくださり、こちらとしても安心して診断書依頼をすることが出来ました。お姉様が、月に一度こちらの実家に帰るタイミングで面談を重ね、作成した申立書については「私たちの伝えたいことが的確にまとめられています。ありがとうございます。素人にはこんな風には書けません。助かりました」と、お褒めの言葉を頂きました。

結果

4か月後、障害厚生年金2級の年金証書が届いたとのご連絡を頂きました。

とても喜ばれていました。今回の案件は「精神作用物質使用による精神障害」つまり、アルコール依存による器質性精神障害としての請求でした。重要な点は、「精神病性障害を示さない急性アルコール中毒及び明らかな身体依存の見られないものは、障害年金の認定の対象とならない」という点です。「アルコール依存症」というだけで受給できるものではなく、アルコール依存により精神障害が生じているような場合においては、精神疾患としての受給が見えてきます。

ご本人はもとより、ご家族も様々なご苦労を抱える中、障害年金の手続きに要する手間や心的負担は想像よりも大きいと思います。お気持ちを楽にする為にも、ぜひ専門家にご相談ください。

その他の事例はこちらをご覧ください。


この記事の最終更新日 2023年1月27日 執筆者: 社会保険労務士 堤信也

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