同一部位に、交通事故の影響やヘルニアによる病歴があり、請求傷病も多く、初診日特定が非常に難航したケース【No109】
相談者:女性50代/無職
傷病名:頚椎捻挫、頚椎症性脊髄症、左上腕骨外側上顆炎、右拘縮肩、右上腕骨内側上顆炎、左上腕骨内側上顆炎
決定した年金種類と等級:障害厚生年金3級
年金決定額:支給月から更新月までの総支給額:約176万有期認定:約3年
相談時の相談者様の状況
4-5年前に頚椎症性脊髄症を患い、仕事を退職。傷病手当金の受給が終了した後、経済的な不安から障害年金の請求を考え、年金事務所で相談をされた経緯がありました。しかし、書類整備や申立書作成など、ご自身では困難と感じ、代理で請求を行う専門家を探していたところ、娘さんがインターネットで当所HPをご覧になり、「ここに電話しよう」と母娘で決意され、連絡をくださいました。体が不自由な為、娘さんが同行されてのご来訪となりました。
相談から請求までのサポート
当初、請求を決めかねていたところ、娘さんに「年金が受給できれば、病院代になる。心置きなく受診し、リハビリや服薬が出来るようになるよ」と言われたことも後押しとなり、今回の請求を決意。
20年前に頸椎ヘルニア、7年前の交通事故による頸椎捻挫と、今回の傷病と重なる部位での既往歴があった為、「請求傷病の判断と請求方法」が大きな争点でした。
所内で、初診日特定をはじめ、請求全体の枠組みについて幾度も検討を重ね、請求上重要と思われるポイントが明確になるよう、病院には丁寧に医証作成を依頼。請求者様にも、当時の受診状況確認など、ご協力をいただきました。
最善の形で手続きを終えましたが、請求後、返戻(医師照会)。X線やMRIの所見、神経学的所見の有無、発症要因等、様々な医学的領域に対する照会内容でしたが、診断書を作成頂いた医師の多大なご協力を得て、返戻書類を提出し、認定結果を待ちました。
結果
返戻対応も含め、約7か月後、「3級の年金証書が届いた」とのご連絡をいただきました。大変喜んでくださり、「自分の病状が障害年金受給に該当するかどうかも不安だったが、その上返戻まで入り、もう無理なのかもしれないと諦めかけていた。自分一人で請求していたら、もう力尽きて諦めていたでしょう。本当に先生方にお願いして良かったです!娘も『信頼できる方たちと出会えて本当に良かったね』と言っています」と感謝のお言葉をいただきました。
私共としても、病状判断や初診日特定にとても難航した為、この度の結果は大変嬉しいものでした。難しい案件だったからこそ、相談者様との信頼関係も厚いものとなりました。
金銭的な事情から、通院も躊躇されている状況がありましたが、娘さんの言葉通り「これで安心して病院にも行けます」という言葉に、心から、本当によかったと感じざるを得ませんでした。
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この記事の最終更新日 2022年12月2日 執筆者: 社会保険労務士 堤信也