重度精神遅滞(知的障害)により、障害基礎年金2級を受給できたケース【No.37】
相談者:女性(50代)/無職
傷病名:重度精神遅滞(知的障害)
決定した年金種類と等級:障害基礎年金2級
支給月から更新月までの総支給額:約234万 有期認定3年
相談時の状況
相談者のご兄弟より、今まで相談者を援助してきた両親が亡くなり、どうしたらいいか分からずに、行政をはじめいろいろ調べて障害年金という制度があることを初めて知ったとの事でした。
そこで精神科を受診したところ医師も協力的であったが、自力での請求は今般なかなか難しいので専門家である社労士に依頼した方が良いとの指摘を受け当事務所へのご相談となりました。
依頼から請求までのサポート
相談者は、精神遅滞の中でも重度で障害が重い方で、ご兄弟からお話を聞くレベルでも明らかに障害年金を受給できる状態にあると判断しました。と同時に制度さえ知っていればもっと早くから、つまり20歳から30年ほどは受給できていたと思われる方です。
ただし、精神遅滞でも一昔前までは世間の理解度も低く病院自体もあまり通院しないことが多く、相談者も精神遅滞に対する受診は全くありません。
しかし、相談者が子供時分から現在に至るまでずっとある病院にかかりつけ医の状態で受診していたことから20歳当時の診断書を作成して頂き遡及請求を行いました。
結果
障害認定日は不支給、請求日時点は障害基礎年金2級という決定内容でした。
障害認定日の診断書の内容から、ある程度の予測はついていましたが、何とか5年だけでも遡及での支給を認めてもらおうと不服申立てを当初から視野に入れた状態での請求でしたが、ご兄弟からはこれからの生活の目途が立っただけでも十分感謝していますとのことで、止む無く不服申立てを行わずにサポートを終了することとなりました。
結果的に残念ではありますが、いずれにせよこれまで50年ほどほぼ家の中だけで社会的なつながりは両親のみという生活を送ってこられた相談者のことを推し量ると残念としか思えませんが、今後の人生に少しだけでも希望の灯りを見出してもらえたらと思います。いずれにせよ障害年金はこういうケースから分かる通り周知が足りないのが事実です。早めに知って頂き、ぜひ早急にご相談されることを願うばかりです。
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この記事の最終更新日 2022年12月2日 執筆者: 社会保険労務士 堤信也