障害年金 肝疾患の認定見直し(2014年8月30日)

新聞

2014年6月1日から、障害年金における肝疾患による障害の認定基準が一部改正
されました。

今回の改正は肝疾患の障害の認定基準が、約10年以上も見直しが行われていなか
ったことから、近年の医学の進歩を反映させるとともに、より明確で分かりやす
い認定基準とすることを目的としています。

 改正のポイントは三つあります。
①重症度を判断するための検査項目の見直し
②障害等級を客観的に判断するため、検査項目の異常の数を入れた
③アルコール性肝硬変の基準を追加した。____

つまり、①で最新の医学的見地を取り入れ、②によって肝疾患の重症度を見る際の
具体的な判断基準が明確になることで、異常項目の程度と個数により比較的容易に
障害等級を判断できるようになりました。

また、③については、一定の治療努力がなされるべきであるといった視点や断酒す
ることで症状が改善することが考慮されました。継続して必要な治療を行っている
ことと、検査日より前に180日以上アルコールを摂取していないことが確認できた
者に限って認定されることになりました。

以上のように、今回の改正により具体的な等級判断ができるようになったのは非常
に良いことです。ただ、過去にさかのぼって請求する場合は、過去の診断書が必要
になります。必要な検査をしていないことから数値がわからずに傷害認定ができな
いといったケースが出てくる懸念もあるので注意が必要です。

 


この記事の最終更新日 2015年6月5日 執筆者: 社会保険労務士 堤信也

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